2015年11月21日土曜日

Philipp Hammig Fluteとの出会いと特徴について

初めてPhilipp Hammigのフルートに出会ったのは、某店にあった総銀のもので、何となく試奏させていただいたのですが、これがもう滅茶苦茶に良くて、それまでのフルートの概念が覆されました。

とにかく息が入った後が太くて、素朴で温かい音が・・・。
内径の太さと管の薄さ、そして旧東独のコインシルバー(.900)など色々な要素があるのでしょう。

今から見ても相場を大幅に上回った金額だったので購入を見送ったのですが、その後買った本数や費やした時間を考えると、買うのが正解でした。

おそらく60~70年代のものでした。
歌口はややスクエア寄りで大きめで、吹きやすかった。
今思えば、改造されていたかもしれません。


多くの歌口は改造済?


その後何本も見て思うのは、オリジナルと思しきものは少ないと言うことで、Philippに限らずヴィンテージのドイツものの歌口は、かなりの確率で改造されていると思います。しかも大胆に。
当時はそれが普通だったのかもしれません。


Philippの音は胴部が要?


もう一つの特徴は、今まで色々なPhilippの胴(足部含む)と頭部管を挿し換えて吹いてみましたが、Philipp Hammigの音の個性は、胴部のほうで作られている部分がかなり大きいということです。
他国のものはもちろんのこと、たとえドイツ物同士で換えてみても、Philippの胴部がもたらす温かい音は異彩を放っています。
ちなみに足部管だけ別のドイツのものに換えただけでも、右手方面の鳴りは 思い切り変わってしまいます。

今振り返ると、あのとき吹いたPhilippと同じくらい好きなPhilippには、正直、出会っていません。
やはり個体差や改造歴などで、それぞれ違いますね。
ただ、この違いは特に頭部管によるところが大きかったと思います。
胴部に関しては、60~80年代あたりのものに関しては、どのPhilippにも大きく共通する良さがあるように感じました。

初代のPhilipp時代のものは、見た目からしてかなり違うので、その限りではありませんね。これについてはいずれ書けたらと思います。

考えてみると、いまPhilipp Hammig名義で売っているフルートのほうが、J.G.Hammigがオーナー時代(1959~94年)の形に近くて、今J.G Hammig名義で売っているものは、世の一般的なフルートに近いように見えますね。

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