2016年3月24日木曜日

Helmuth Hammig3本試奏

先日、某所にてHelmuth Hammigを3本吹かせていただきました。

ルイロットとともに熱狂的なファンを持つヘルムートですが、その3本を実際吹いてみると、それぞれ全く違う個性を持っていました。
どのメーカーでも個体差はあるものですが、この3本の個体差は普通のレベルを超えているのではと。

一つは、後から歌口などを改造した可能性が考えられます。
あるいは、ほとんど個人製作家なので、注文主の要望に応じてそもそもヘルムートさんが作りを変えていたり、時期で違ったりというのもあるかもしれません。

後者の部分としては、やはり管体のトーンホールがソルダードかドローンかで、音の重さ、抵抗感を始め、全然違ってくるなと感じます。
初期のソルダード・トーンホールのものは、とてもかっちりしていて、「良いもの」というのがひしひしと伝わってくる。自分が買うならこれか。
ただ、かなり直接的な音というか、音の輪郭周りのふわりとした部分は出にくく、ストイックなフルートです。

後期に当たる残り2本のドローンのほうがゆったりした音でしたが、それでも近い時期のPhilippあたりと比べると、いずれも真面目というかかっちりした音の部類になると思います。


THE FLUTE(106号)の柳沢さんインタビューを読むと、ヘルムートはソルダードのほうが良いとしつつも、次第に材料の供給が不足すると、材料を節約するためにもっぱらドローンを作り、それが集まってくるとソルダードを作った、とあります。

使用者として有名な高木綾子さんは、木綿のような音と評していますが、ヴィンテージのハンミッヒの中ではHelmuthは真面目な音で、Philippのほうがより茫洋としているかなと思います。

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